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タイ・カンボジア停戦合意をどう見るか?①停戦72時間後18名捕虜帰還をタイ軍が守られるか次第?

■タイ・カンボジア停戦合意をどう見るか?

――歓迎すべきだが、決して楽観はできない

「カンボジアとタイの間で調印された停戦協定を歓迎し、双方が誠意をもって完全に履行するよう求める」

――欧州連合(EU)

EUをはじめ、日本、ASEAN諸国など各国が今回の停戦合意を歓迎する声明を出しています。

タイとカンボジアの国防大臣は、約3週間続いた国境での武力衝突を終結させるための停戦合意に署名しました。

停戦は12月27日午後12時(現地時間)から発効しています。

まず、この点については率直に歓迎すべき動きだと思います。

しかし、ここで強調しておきたいのは、「停戦合意」であって「和平合意」ではない

という事実です。

■停戦合意の中身 ― 実務的内容に限定

今回公表されている停戦合意文(日本語訳を最後に添付済み)を見る限り、内容は以下のような実務的事項が中心です。

  • 武力行使の即時停止

  • 両軍の新たな部隊移動の禁止

  • 民間人への攻撃禁止

  • 72時間の停戦維持後、捕虜となっているカンボジア兵の解放

  • 地雷事故防止のための行動制限

領土問題の最終的解決や恒久和平については、何も書かれていません。

ここが重要なポイントです。

■本当に「納得して」停戦したのか?

正直に言って、

軍事的に優位と見られていたタイ側が、なぜこのタイミングで停戦に応じたのか

私は今も疑問を持っています。

水面下での外交交渉があった可能性は高いでしょう。

ただし、その中身は民間人である私には分かりません。

しかし、状況から推測できる事実はあります。

■停戦当日まで続いた空爆

停戦発効の12月27日正午まで、タイ軍は午前7時31分からF-16戦闘機による空爆を実施し、カンボジア領内の奥深くまで攻撃していました。

停戦直前まで軍事行動を続けていた事実を見る限り、タイ軍部が停戦合意に完全に納得しているとは思えません。

■「トラート敵制圧作戦」と民間施設

さらに気になるのが、タイ王国海軍が公開した「トラート敵制圧作戦」の戦果です。

  • バン・ター・セン(カジノ・トモダ)

  • バン・ノン・リー(わずか3軒の家屋)

これらを「奪還した」と公式に発表し、画像まで公開しています。

これらは明らかに民間施設です。

果たしてこれは「軍事目標への限定攻撃」と言えるのでしょうか。

私は、民間施設への無差別攻撃と受け取られても仕方がないと思います。

■選挙を控えたタイ国内政治

さらに見逃せないのが、

来年2月に予定されているタイ国総選挙です。

首相をはじめとするタイ政界は、すでに選挙モードに入っています。

国境紛争が「強硬姿勢アピール」に利用される可能性は否定できません。

選挙情勢次第では、停戦合意が再び破られるリスクも、私は十分にあると見ています。

■現状変更された占領地と国防費増額

停戦後も、

  • タイ軍による軍事力での現状変更

  • 占領地域の扱い

といった問題は未解決のままです。

一方で、カンボジア国防省は国防費増額を正式に発表しています。

これは「戦争を望むから」ではなく、

戦わずに侵略意図を挫くための抑止力強化

平和維持のための必要条件

だと私は考えます。

■ボクシングに例えるなら「打ち終わりの防御」

昨日、サウジアラビアで井上尚弥チャンピオンの世界戦が行われていました。

ボクシングで最も重要なのは、

**攻撃後の防御(打ち終わり)**です。

前回の停戦後、相手に付け入る隙を与えてしまったのではないか――

私はそう感じています。

外交も同じです。

軍事力という裏付けがあってこそ外交は効果を持つ。

「平和を祈るだけでは、平和は維持できない」

今回の停戦は、それを改めて示しました。

■防空体制の必要性(※素人意見)

私は軍事の専門家ではありません。あくまで素人の意見ですが、

急務は防空システムの構築だと思います。

敵機の侵入が困難であれば、それ自体が抑止力になります。

システムが整うまで、友好国から戦闘機とパイロットを一部借りるという選択肢も、

検討してよいのではないでしょうか。

旧プノンペン国際空港も新空港開港から空いているのではないですか?

■外国人としての立場と今後の注目点

何度も述べていますが、

外国人である私たちが、両国間の紛争に過度に口出しすべきではありません。

しかし、停戦合意後に何が起きるのかを冷静に考え続けることは必要です。

注意すべき点は、

  • 停戦は維持されるのか

  • 72時間後のカンボジア兵捕虜解放は実行されるのか

  • 国境再開と経済交流はいつか

  • 投資は紛争前の水準に戻るのか

  • 国際的信用をどう回復するのか

特に、国家として失った信用は簡単には戻らないと感じています。

■地雷問題について

最後に個人的な感想です。

埋められた地雷は一人で歩きません。

停戦合意には、両軍の移動禁止が明記されています。

であれば、本来、地雷事故など起きるはずがありません。

地雷被害→停戦合意破棄のような

「驚くような出来事」が起きないことを、心から願います。

10月26日の停戦合意が守られていないタイ軍です。

停戦72時間が経過した時点で、前回紛争時から捕虜となっているカンボジア兵が解放されること!今後はまずはこの問題が解決されるか否かは注目すべきです。

※停戦合意文章日本語翻訳

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