タイ・カンボジア戦争についてです。
只今、私は日本帰国中です。金融機関や取引先を回って、
そう言えば社長、カンボジア戦争していましたよね???
関心はこの程度、というのが正直な印象です。
日本国内での関心の薄さを、身をもって知ることになりました。
ニュースでは、ウクライナ戦争や中東情勢、南米を巡る地政学リスクの方が大きく取り上げられています。一方で、タイ・カンボジア国境周辺の緊張状態については、ほとんど報じられていません。
しかし、仮に「限定的衝突」「国境紛争」という位置づけであったとしても、カンボジア北西部・ポイペト周辺には日系企業も進出しており、治安悪化や操業停止の影響が出ているのは事実です。
関心が薄いからといって、日本として看過してよい問題ではないと感じています。
■現地でも見える情報の限界
現地にいても、軍事行動の詳細が分かるわけではありません。
国防上の理由から、情報は強く統制されており、これは侵略や攻撃を受けたと認識されている側としては当然の対応でしょう。
確認できる情報は、
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国防省による定期的な公式発表
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「どこで砲撃があった」「空爆があったとされる」といった断片的報告
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SNS上に投稿される映像や写真(真偽不明なものも含む)
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避難民の様子や被害状況
に限られます。
■軍事的影響をどう見るか
私は軍事の専門家でも、実戦経験があるわけでもありません。
素人目には、映像で見る砲撃や空爆は強烈で、心理的な衝撃も大きいものです。
ただし、それが
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軍事的にどの程度の効果を持つのか
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戦況に決定的な影響を与えているのか
については、実際の軍関係者でなければ判断できません。
映像のインパクトだけで必要以上に悲観的になる必要はない、という視点も重要だと思います。
戦闘マップを見ると、国境線から90kmも入り空爆を行っていますが、補給路の遮断や心理的圧力を狙った行動と考えられます。戦争・紛争において、後方への攻撃が行われること自体は珍しいことではありません。
■軍事バランスと緊張のエスカレーション
戦闘機がない、防空システムが無いカンボジアの制空権を掌握してタイ軍が圧倒して、好き放題空爆をしているので、カンボジア側が厳しい立場に置かれるのは想像に難くありません。
その他、湾岸への艦砲射撃、海上封鎖など紛争でなく、宣戦布告無し戦争へと限りなくエスカレートしています。
一方で、圧倒的な軍事力を持つ側が、必ずしも短期間で目的を達成できるとは限りません。想定以上の抵抗に遭えば、事態はエスカレートし、地上戦や長期化のリスクが高まります。
ここで重要なのは、カンボジア側よりもタイ側で
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地上戦になった場合の人的損失
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それに対するタイ国内世論の反応
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「何のための戦いなのか」という疑問
です。
戦闘開始時、連絡を遮断したと宣言したタイ首相ですが、少し発言に変化が出ています。
依然、戦闘はタイ側優勢ですが、出血を伴うであろう地上戦に入るか?だからでしょう。
優勢な軍が押していけばカンボジアは屈服するくらいの考えで、タイ側は何も持っていなかったでしょう。
戦争は始めるよりも、終わらせる方がはるかに難しいと言われます。
■外交と停戦の行方
カンボジアは軍も国民も国力以上によく耐えているのが伝わってきます。
徹底抗戦、耐えきって、外交、そしてタイ側国内の不戦論を待つでしょうか
その停戦に向けての各国の外交ですが、
アメリカトランプ大統領の仲介は不発
現在、中国王 毅外相による即時停戦への仲介
22日にアメリカ、中国も加わったASEAN会議
といった動きが見られます。
ただし、重要拠点をタイ側に実効支配されている状況です。武力による現状変更の条件が前提とした停戦合意は極めて難しいです。
これはウクライナをはじめ、世界各地で繰り返されている構図です。
■耐える、待つ側のカンボジア
カンボジアでは、
軍、国民、行政
が比較的冷静に耐えている様子が伝わってきます。私は徹底抗戦という言葉を使いますが、
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国際世論
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外交圧力
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相手国国内の「不戦・慎重論」
が強まるのを待つ、それまで徹底抗戦、耐えると言った状況だと思います。そういう戦略なのかもしれません。
世界を見渡せば、似たような状況ばかりです。
だからこそ、遠い国の出来事としてではなく、日本企業・日本人にも影響しうる現実として、冷静に注視する必要があると感じています。
戦闘が激化すれば、民間への被害が拡大します。
現に学校への砲撃?空爆?の被害が出ているようです。
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