こんにちは、ジェット谷です。
日本とカンボジアの両国でビジネスを行っているジェット谷が、現地カンボジアから最新情報をお届けするブログです。
「外国人マンション購入者が所有権証書上の氏名を確認しやすくするため、土地管理・都市計画・建設省は、所有者の氏名をクメール文字とローマ字の両方で記載することを許可することを決定した。」
(クメールタイムズより)
実施時期はまだ明らかになっていませんが、カンボジアでコンドミニアムを所有する外国人にとっては歓迎すべき制度改正です。
現在、外国人名はクメール語の発音に置き換えられ、クメール文字のみで権利書に記載されています。翻訳アプリが発達した現在では、自分の名前かどうかを確認すること自体はそれほど難しくありません。
しかし、クメール文字で表記された自分の名前を覚えるのは簡単ではありません。実際、お客様からも「これ、本当に私の権利書でしょうか?」というお問い合わせをいただくことが少なくありません。
また、日本人をはじめ外国人の氏名は、発音をクメール語へ置き換える過程で、微妙に異なる表記になることもあります。担当者によって発音の捉え方が異なるため、同じ名前でも表記に若干の違いが生じるケースもあります。
そのため、クメール文字に加えてアルファベット表記が併記されれば、所有者本人が権利書を確認しやすくなるだけでなく、氏名の識別性や正確性も向上するでしょう。外国人が安心して不動産を所有する上で、非常に意義のある制度改正だと思います。
実は、日本でも2024年4月1日に施行された不動産登記法の改正により、外国人(個人)の所有者名についてはローマ字(アルファベット)の併記が可能となっています。ただし、登記名義はあくまで日本語(カタカナまたは漢字)が基本であり、アルファベットのみで登記することは認められていません。
今回の制度変更は、カンボジアの不動産登記制度における前進と言えます。しかし、不動産権利書(ハードタイトル)の名義、住所、権利関係などは現在でも手書きで記載されています。今回追加されるアルファベット表記も、当然ながら手書きです。
実務では、手書きであるためにスペルミスや記載ミスが発生することもあります。また、登記手続きにも非常に時間がかかり、所有権移転登記には現在でも約2か月を要しています。
私としては、アルファベット表記の導入以上に、不動産登記情報を一般公開し、誰でも閲覧できる仕組みを整備してほしいと考えています。
法律上は登記情報の閲覧制度がありますが、現実の実務ではほとんど利用できないのが実情です。
不動産情報が自由に確認できないことは、所有者を偽る詐欺や、日本で話題となった「地面師」のような不動産詐欺が発生しやすい原因の一つでもあります。
情報公開は重要です。
これは、商業登記情報サービスが整備されたことによって、法人を所有していない人があたかも自分の会社であるかのように装ったり、経歴や役職を詐称したりする行為を第三者が確認できるようになったのと同じです。例えば、カンボジア日本人会元会長・小市琢磨による経歴・身分詐称も、商業登記情報によって、『詐称、詐欺だ』と誰にでも客観的に容易に確認できるようになりました。
不動産取引の安全性を高め、地面師のような詐欺や所有権詐欺を防止するためにも、透明性の高い登記情報の公開は、カンボジアが今後取り組むべき重要な課題ではないでしょうか。
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