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カンボジア情報

カンボジア・タイ国境紛争、ついに軍事衝突!今後について!

2025年5月28日からのカンボジア・タイ国境紛争が、7月24日、ついに軍事衝突が発生しました。両国の国境地帯で銃撃戦、砲撃、さらにはタイ軍による空爆も報告されています。

この紛争に至るまでの経緯については、以前のブログ記事(6月23日7月1日)をご参照ください。

現在、戦闘によって民間人を含む多数の死傷者が出ています。両国とも、係争地が自国の領土であると主張しており、「相手側から発砲があった」と互いに責任を押し付け合う形です。

しかし、今問われるべきは「どちらが先に攻撃したか」ではなく、この紛争がどのように終結するかという点です。

誤報が見られる日本の報道

日本の一部メディアでは「係争地がある」などの表現が使われていますが、事実関係が不正確なものも見られます。特に以下の点は要注意です:

  • 戦闘地帯は、「係争地」ではない!

    → 過去2回、国際司法裁判所(ICJ)によりカンボジア領と判定されています。                      

■情報の非対称性と現地状況

現地で把握できる情報源は主に両国政府の発表とローカルメディアですが、タイ側のメディア数が圧倒的に多く、情報発信力にも差があります。一方カンボジア側は情報統制を行い、フェイクニュースに煽られないよう国民に冷静な対応を求めています。

現在のところ、戦闘状態に関する画像や動画は主にタイ側からのみ発信されており、それも空爆後の破壊された施設や訓練中の様子が中心です(2025年7月24日現在)。

戦闘地が占領されたのか、防衛されているのか、戦闘状況は不明です。両国とも発表はしていません。

 

■軍事力の格差と戦略的背景

タイ軍は世界第24位の軍事力を有し、F-16戦闘機を含む航空機を約493機保有。一方、カンボジア軍は第111位で、旧式戦闘機がわずか25機です。

タイ軍が本格的な空軍力を投入すれば、カンボジアは極めて不利な状況に陥ります。たとえばF-16戦闘機がバンコクからプノンペン上空まで10分程度で到達可能です。

現時点では空爆は1回限りで、F16による空爆は、ピンポイント攻撃または威嚇の可能性が高いと考えられます。

■カンボジアの防衛戦略と国際訴え

ドロンでの爆撃を始めたタイ軍。

カンボジア側は、圧倒的なタイ軍に対して、地上戦とタイ軍より数が勝る迫撃砲による反撃で徹底抗戦。戦力的に劣る部分を「国際世論」と「世界遺産防衛」によって補っています。これは外交解決を視野に入れた防衛戦略とも言えます。

 

■タイ側の政治的背景と軍の独立性

タイのメディアを見て違和感を感じる方がいると思います。

タイ国対フンセン元首相であるはずだが、

タイ国軍司令官対フンセン元首相になっています。

特筆すべきは、現在の戦闘を主導しているのがタイ政府ではなく、タイ陸軍第二軍の司令官であるという点です。タイでは過去に複数回クーデターが発生しており、軍の政治介入が常態化しています。軍最高責任者が国王であり、政府は軍の行動に口を出せない体制です。これはかつての日本における「統帥権独立」と類似しています。

また、現政権はタクシン派による不安定な連立政権で、経済的失政により国民の不満も高まっており、軍が政治への影響力を強めつつあることも今回の武力行使の背景にあると見られます。

 

■紛争の終結と地域への影響

現在、国連、ASEAN、中国、アメリカなどが停戦調停の動きを見せており、特に米国は即時停戦と民間人保護の必要性を強く訴えています。

ただし、タイ軍司令官が一定の軍事的成果を得る(カンボジア軍を駆逐して領有宣言する)まで戦闘が継続される可能性があり、今後の外交交渉の行方が注目されます。

私は、戦闘が局地的であり、全面戦争に発展する可能性は低いと見ています。

 

(タイが砲撃した世界遺産 プレアヴィヒア寺院)

ただし、タイ軍が狙っているとされるのが世界遺産地域であること、『東洋のデトロイト』と呼ばれている、日本をはじめとする外資製造業が進出しているタイで政情不審が続くような戦闘が長期化すれば国際社会の介入も避けられません。

 

■戦後の課題と東南アジアの安定

問題は戦後にあります。カンボジアは、再び侵略を受けないための安全保障措置が求められる一方、現在は経済発展を優先すべき時期であり、軍事費の増加は現実的ではありません。第三国の駐留や拠点設置(リアム海軍基地、新空港など)が検討される可能性もあり、地域バランスが大きく変化する恐れがあります。

タイ国内の政情不安と軍部の行動が、カンボジアにとどまらず東南アジア全体の安定を脅かしつつある状況です。

■最後に

本稿の内容は、現地の報道や政府発表に基づいたものであり、今後の情勢によって大きく変化する可能性があります。

何より、平和と経済発展が両国にとって損なわれないことを、心から願っております。

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POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    デコイ小市とは対照的に谷さんは独自にまとめられていて素晴らしいです。コピペ小市の煽り記事は読む必要はないは、多数のプノンペン在住日本人の常識になっています。

    • 匿名 より:

      谷社長の素晴らしい分析を、日本本社への報告書作成の参考にさせていただきます。貴重な情報をありがとうございました。

      • 匿名 より:

        弊社でも、報告書作成の参考にさせていただきました。極めて客観的で深い洞察力に、改めて感銘を受けております。

  2. 匿名 より:

    わかりやすい情報ありがとうございます。

  3. 匿名 より:

    タイと違い日本語情報が少ない中で、情報が正確で公平は極めて重要です。素晴らしい分析に完全に同意しました。在住者として心よりお礼申し上げます。本当は日本人会が安全情報を提供すべきですが、デコイ小市は自分の利益しか考えていませんね。

  4. 匿名 より:

    鹿児島やその他の空気アジアアカウントはフンセンが亡命したとかデマ書いてるけど何目的なん?
    小市の指示で書いてるのは分かるけど。

    • 匿名 より:

      こうやって書くことが自分たちの首を自ら絞めていることに気づかない愚かさ!ただただ哀れです。

  5. 匿名 より:

    誰よりも分かりやすい解説をありがとうございます。これではっきりと理解できました。カンボジア人のスタッフに教えてみます。

  6. 匿名 より:

    クメール人の妻の集めた情報は谷さんと同一です。

    • 匿名 より:

      私の妻の集めた情報も谷社長と同一でした。ローカルの気持ちを理解した素晴らしい分析だと評価できます。

  7. 匿名 より:

    コピペとAIでホラ吹きのデコイ小市情報は、著作権を無視した詐欺まがいだと噂されています。特に不動産についてはデュスリ情報を拡散するは裏があると言われています。いつも正確で公平な、谷さんの深い分析情報との違いは一目瞭然です。小市は成功者の谷さんを嫉妬するが事実ですが、それ以外に誹謗中傷する理由があるは、小市のケツモチが誰か在住日本人の噂です。

    • 匿名 より:

      谷社長のような深い洞察力を持つためことは、デコイ小市のように詐欺師(自覚しているかどうかは別として、客観的に見て!)で生きてきた人には「絶対」にムリです。

  8. メガホン より:

    貴重な情報ありがとう、おじさんだから健康管理が一番ですよ無理をしないでね。これからも信じてくれる人だけに全力で!!

    • 匿名 より:

      大賛成です!
      谷社長を信じる人は本当に多いです。
      決して「雑音」に惑わされずに正確な情報発信、そして行動してください。

  9. 匿名 より:

    小市はプレアヴィヒア寺院がタイに占領されたとフェイクニュースを流しましたね。「係争地がある」と言ってますが、これはタイに有利なフェイク情報です。過去2回、国際司法裁判所(ICJ)によりカンボジア領と判定されています。何が目的でフェイクなのか。  

    https://x.com/cambodiataro/status/1944337569585467423

    https://x.com/cambodiataro/status/1945031860255375590

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