1) プリンスグループ系銀行(Prince Bank)の現状
最新の公式発表によれば:
銀行は事実上 業務停止〜清算段階へ
カンボジア中央銀行(National Bank of Cambodia:NBC)は Prince Bankを清算する命令を発令しました。つまり、銀行として新規の預金受入れ・貸出しなどの通常業務が停止されています。
これは 法的な清算手続き下に移行した段階であり、銀行は今後段階的に資産を売却・整理し、債権債務の整理が行われる方向です。
預金者や借入者への対応
預金者は、規定の書類を整えれば 資金を引き出すことが可能とされています。
借入をしている側は 契約通り返済義務を継続する必要があります。
背景には
この措置は、プリンスグループの創業者でありPrince Bank設立者の 陳志(Chen Zhi)氏が国際的な犯罪捜査・要請を受けて逮捕・中国送還された直後に実施されています。
2) 銀行停止が不動産事業へ与える影響
プリンスグループ創業者の逮捕・中国送還に加え、グループ系金融機関であるPrince Bankが事実上の清算プロセスに入ったことで、不動産開発事業全体への影響を懸念する声が強まっています。
確かに、グループ内銀行が機能停止したことは、資金調達面・信用面においてマイナス要因です。しかし、これをもって「不動産事業が全面的に崩壊する」と見るのは、やや行き過ぎた評価だと考えます。
その最大の理由は、プリンスグループの不動産開発において、未完成のプロジェクトが実質的に2件しか存在しない(プノンペンでは)という点です。
現在、未完成(または最終仕上げ段階)と見られるのは以下の2プロジェクトに限られます。

Prince Happiness Plaza
プノンペン・チャムカーモン地区に位置する大型複合開発。3棟中2棟完成。残り1棟が進行中ではあるものの未竣工。
Prince International Plaza
ロシア連邦通り沿いの複合開発で、456戸の高級コンドミニアム、オフィス、商業施設「Prince Square」を含む案件。外観・進捗状況から見て、ほぼ完成段階にあると言えます。
それ以外の主要プロジェクト(プノンペン)は、すでに完成・引き渡し物件は、物理的な不動産資産としての価値は維持されています。
この点は、「未完成案件が多数残り、同時多発的に工事停止が起きる」という状況とは大きく異なります。
また、不動産開発会社や各プロジェクトは、Prince Bankとは法的に別法人であり、銀行清算が直ちに不動産事業の停止や消滅を意味するわけではありません。特に、完成済み、あるいは完成間近の物件については、債権者主導での継続、事業譲渡、外部資本による引き継ぎといった選択肢が現実的に存在します。
SNSなどでは不安を煽る論調も多く見られますが、それらは刑事事件としてのインパクトをそのまま事業評価に当てはめた感情的な反応が中心です。実務的には、資産価値・立地・進捗に応じて個別に整理・再編されていく可能性が高く、不動産事業全体が一律に破綻するシナリオは現実的ではありません。
総合的に見て、Prince Bankの業務停止は確かにネガティブ材料ではあるものの、
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未完成プロジェクトが限定的であること
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そのうち1プロジェクトはほぼ完成していること
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完成済み不動産が存在すること
を踏まえれば、不動産開発への影響は限定的かつ段階的な整理に留まる可能性が高いと考えます。
一方で、「影響は限定的」としつつも、実務面での課題が残る点には注意が必要です。
プリンスグループの不動産開発会社である Prince Real Estate の代表者は、陳志(Chen Zhi)であり、その本人が現在拘束下にある状況では、
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販売済み・販売中不動産における
ハードタイトル(不動産権利書)の新規発行 -
名義書き換えや登記関連手続きが円滑に進むのか
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進むとしても いつになるのか
といった、実務レベルでの遅延や不透明感が生じる可能性は否定できません。
これは事業そのものの価値とは別次元の問題であり、購入者・投資家にとっては慎重に見極める必要があります。
なお、シアヌークビルにおけるリゾート開発案件については、本稿では触れていません。同プロジェクトがプリンスグループ全体、あるいはPrince Real Estateの事業ポートフォリオにおいて何%を占めるのかが明確ではないため、現時点では影響度を評価することが難しいためです。
総合的に見て、Prince Bankの業務停止や創業者個人の問題は確かにネガティブ材料ではあるものの、不動産開発事業そのものが直ちに崩壊する状況ではなく、「事業価値は維持されつつ、実務面での調整・遅延が生じる局面」と見るのが、現実に即した評価だと考えます。
※あくまでも筆者の私観です。投資判断は各自の自己責任でお願い致します。
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お疲れ様です。
陳志が逮捕され国籍を離脱したチャイナに送還されたとのことですが、3ケ月間カンボジアの何処に潜伏し何処で発見されたのかは不明のようです。彼はフン・セン前首相の参与のような関係と新聞報道されています。また、現カンボジア大使が陳志グループを訪れ賞賛し、陳志はその信用を利用していたふしがある、とも報道されています。
38歳の彼の顔写真を見ると、これがアジア最大の金融犯罪を犯した男か、と不思議な気持ちになります。本当に福建省出のこの青年が僅か10年程度でカンボジア最大の企業グループを作ったのでしょうかね!?😄
闇ですね。
グループも10年かけて出来上がったのなら理解できますが、ある日突然1年くらいで出来上がっていた印象があります。29の時ですね。