こんにちは、ジェット谷です。
日本、カンボジア両国でビジネスを行っているジェット谷が現地カンボジアから最新の情報をお送りするブログ、チャンネルです。
かなり注意しなければならない報道がされていました。
『シャドーバンキング』
という言葉を耳にされて記憶にある方も多いと思います。
中国シャドーバンキング大手が破産申請:債務超過は5兆円規模か
『中国シャドーバンキング』とは、銀行取引ができない相手、会社に、高金利で貸し付けたり、投資したりする金融業。「影の銀行」と呼ばれています。
資金源は、「理財商品」という金融商品で高利回りで投資家から資金を集めています。
その中国のシャドーバンキングが破綻したニュースです。
カンボジアでも『シャドーバンキング』に関して報道されています。
不動産低迷とシャドーバンキングの台頭に対処する厳格な規制監視が必要
クメールタイムズです。
しかし中国とカンボジアのシャドーバンキングは内容が違います。
『カンボジアではコンドミニアムばかりで住宅開発はしないのですか?』
とよく質問されます。カンボジアは外国人が土地を購入できませんから土地付建物は、カンボジア人だけの販売になるのでやらない理由もありますが、現在販売されている住宅地の土地付建物の販売価格では、私達では利益が出せない、利益が薄すぎて行えないも大きな理由です。
ところがカンボジアの開発業者は不動産開発だけでなく同時に金融業も行うのでプロジェクトができます。
住宅開発の業者は、土地付建物を購入する方々に自前の高利割賦販売、高利住宅ローンを付けることで住宅開発で大きな利益を出しています。その高利貸付がカンボジアのシャドーバンキングです。
今、このカンボジア版シャドーバンキングが問題になっています。
コロナ以降の不景気で仕事が失くなった、収入が減少してローンが払えなくなった購入者の住宅を差し押さえして追い出しされることが増加していること。また開発業者が金融機関から借り入れた資金を購入者への高利ローンとして貸し付けていたのが返済が厳しくなることの資金難や販売不振につながって不動産開発が進まないことが問題になっています。
そこで政府は、カンボジア版シャドーバンキングに厳正な規制をかけ、購入者の債務不履行の拡大を防ぐとともに銀行の不良債権急増を抑えることが必要と警告、提案しています。
対策として、開発業者の財務内容の開示をより強化する。従わない開発業者にはライセンスや営業許可の停止、不動産銀行口座の凍結、高額な罰金の賦課などの強制措置が講じられること。
購入者のローン上限の設定、日本でいう返済比率を設定すること販売のために返済が不能になるようなフルローンはに規制ですこと。
住宅購入者の購入代金を保護するために、物件完成後のみ引き出せるエスクロー銀行口座にすべきであること。
今回の提案で、このエスクロー銀行口座にすべき提案は、もし決定すればかなりの大きな問題、新たな不動産不況を生む懸念があります。
カンボジアや東南アジアの不動産開発は、住宅開発だけでなくコンドミニアムも『プレビルド方式』、購入者の完成までの分割の支払いを開発資金にしています。
エスクロー銀行取引とは、物件引渡が完了するまで売主買主双方の資金と権利を銀行が預かる仕組みです。
私達もカンボジアの不動産を購入する際はエスクロー取引を行っています。
エスクロー取引が義務つけられると、開発業者は100%物件が完成するまで売買代金を利用する事ができないので、余程の資金力がある開発業者で無ければ不動産開発はできず、プロジェクト途上でいきなり規制が実施されると開発業者はたちまち資金難に陥り、プロジェクトそのものが頓挫する可能性があります。
日本では未完成物件の場合、売買代金の5%未満かつ1000万円以下でなければ保全処置を取らなければならない宅建業法があります。購入者保護や購入しやすいためにです。
日本は法整備が整って、銀行取引も難しくないから開発業者は円滑に事業を遂行でき、購入者は安心して取引、購入ができますが、環境が整っていないカンボジアで、日本の銀行取引、不動産取引よりハードルが高いエスクロー銀行取引が義務つけられると大変なことになります。
購入者保護に力を入れるために規制強化は重要ですが、行き過ぎた規制は新たな不動産不況を生み出す危険があると懸念します。
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