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タイ軍のカンボジア侵攻は「主権主張」か「侵略」か? 停戦合意にも続く戦闘(7月27日18時現在)

タイ軍のカンボジア侵攻は「主権主張」か「侵略」か? 〜停戦合意にも関わらず続く戦闘〜(72718時現在)

7月27日夜、トランプ大統領はカンボジアのフン・マネット首相およびタイの首相代理と電話会談を行い、停戦合意に至ったと発表がありました。しかし、実際にはタイ軍が軍事行動を継続しており、合意に従っていない状況が続いています。

今回の軍事衝突は、当初は、世界遺産の領有権と国家主権を巡る衝突でしたが、タイ軍は7月26日には関係のないカンボジア南西部のポーサット州に侵攻。27日朝4時にはさらにバッタンバン州に進軍しました。これにより、主権の主張というよりも「侵略行為」と評価せざるを得ない段階に入っています。

非人道的攻撃と真偽不明の情報発信

特に問題なのは、タイ軍が軍事施設ではなく民間の村やインフラに対し砲撃を行っていることです。これは明らかに無差別かつ非人道的な攻撃であり、単なる主権主張の範疇を超えています。

また、タイ陸軍の公式Facebookでは次のような投稿がありました:

『速報!VT-4戦車が今朝(7月27日)、侵略者への攻撃とカンボジア軍の補給線遮断を目的とした戦闘作戦を開始。」』

ここでタイ軍はカンボジアを「侵略者」と呼んでいますが、実際には国家主権を主張した世界遺産エリアでないカンボジアの領土にタイ戦車が侵攻している以上、どちらが侵略者かは明白です。タイ側の発表は多くの場合、事実に基づかないことが指摘されています。

情報戦と「勝者が正義」という現実

私は「戦争に正義はなく、勝者が正義である」との立場ですが、それでも今回の一連の報道は疑問を抱かざるを得ません。

タイ軍は3日間にわたる戦闘の中で、明確な戦果や戦況報告を出していません。タイ国旗を映して「占領」を主張する映像がありますが、実際の占領地は映されておらず、カンボジア側も「占領された」との発表をしていません。

むしろ、F16戦闘機や海軍の映像など、軍事力を誇示するプロパガンダ的報道が目立っています。

これは、想定した戦果が得られていないことを示唆している可能性があります。停戦に応じないのは、戦果・実効支配の「既成事実化」を目指しているからとも考えられます。

世論と戦術的背景

タイ陸軍のFacebook投稿には、以下のようなコメントもありました:

関税問題があり、米大統領は即時発砲停止に合意したが、タイ軍は任務未完了として応じていない。チョンボク寺院の3件に関する国際司法裁判所(ICJ)と国連への申し立てをカンボジアが撤回するまで、停戦はすべきでない。

このように、寺院の領有を巡る背景には過去のICJ判決への不満が根強く存在し、それが軍事行動の正当化材料として使われています。成果が無ければ、停戦はできない。

しかしながら。。。

3日間に及ぶ軍事行動で、タイ軍が明確な戦果を挙げられていないことは明らかです。それでも、カンボジアの主権を侵し、圧倒的な軍事力で侵攻を続けているという事実には変わりありません。侵略軍に対して政府、軍隊、国民が何とかよく防いで耐えているいる状況です。

加えて、今回の停戦合意に関するトランプ大統領の電話会談の相手が「タイの首相代行」であった点にも注目すべきです。実際には、タイ軍に対する統制権限は首相代行にはなく、軍の決定権は軍上層部、あるいは王室に属する可能性もあります。この構造的な権限の不一致が、停戦合意が実効性が弱かった面があります。

こうしたタイの政局の不安定さに軍の暴走の背景を踏まえると、単なる合意だけでは紛争の終結は難しく、真の停戦には軍の内部体制や政治構造へまで理解と介入が必要であると思います。

情報の真偽を冷静に見極めながら、国際社会が積極的に関与し、地域の平和的な解決に向けて強い働きかけを期待すべき時だと考えます。

戦況は刻々と変化していますので状況の変化に関してはご了承ください。

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