軍民統制が効かず、一地方軍司令官が他国に侵略戦争を仕掛ける――これはもはや「テロ国家」や「ならず者国家」と呼ばれても仕方がない。タイ政府は速やかに国家間協定を遵守すべきである。
多くの外国企業や外国人がタイに投資しているが、軍司令官が独断で侵略戦争を開始するような状況は、国際的信用を著しく損なう。2025年8月10日、第2軍管区司令官ブーンシン・パドクラン氏の発言は緊張を一層高めた。個人的感情を私的な場で述べるならともかく、停戦拒否や戦闘継続、侵略戦争続行を公然と主張することは許されない。これではタイ政府が一軍司令官すら統制できない軍事国家、あるいは裏で平和を乱す勢力を容認しているのではないかという疑念を抱かざるを得ない。
2025年5月28日の国境紛争、続く7月24日の軍事衝突は、国際司法裁判所の判決を無視し、カンボジア領への軍事侵攻を行った明白な侵略戦争であった。多くのカンボジア、タイ双方の民間人が死傷・難民となり、停戦後もカンボジア兵18名を拘束したまま釈放せず、鉄条網設置などの挑発行為を継続している。これら一連の行為はすべて、この軍司令官の指揮によるものである。カンボジア政府は国際社会に対し、同氏を「平和を乱す罪」で追及すべきだ。
戦闘の勝敗はともかく、停戦が合意された以上、軍は国家として結んだ協定に従うべきである。奪取目標が30メートル先であれ1センチ先であれ、戦闘が終わったなら速やかに協定に従うべきだ。
10分の1の軍事力しか持たないカンボジアに対し、F16による空爆や海軍力を投入しても目標地を一つも奪えなかった。これは、カンボジアの防衛力や戦略、国土防衛の意思がタイ軍を上回っていたこと、そして米国を含む第三国の停戦仲介があった幸運によるものだ。圧倒的な兵力差を持ちながら戦果を挙げられなかったのは、この軍司令官の能力不足というより、感情に流された準備不足の突発的戦闘であったと考えられる。現代戦は前線だけでなく後方支援や事前準備で勝敗が決まる。
思うような戦果を得られず、国内の右派勢力にも顔向けできず、プライドと意地から強硬発言に至ったのだろう。しかし停戦合意がある以上、両国は平和と戦前の友好関係の再構築を優先すべきだ。短絡的な軍事行動は、まさにテロ行為であり、平和を乱す罪に他ならない。
国際社会、とりわけ日本のマスメディアは、偏向せず正確な報道に努める責任がある。
画像はThe Phnom Penh Postより引用
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