今月の祝日連休前に政府関係者と情報交換する機会がありました。
私達外資の目からの意見を求められたのです。
主な関心事は、5月から続くタイ・カンボジア国境閉鎖と紛争の影響についてでした。
結論から言えば、私たちの不動産事業には影響はありませんでした。確かに8月初は販売が落ち込みましたが、8月後半から販売は好調です。戦争の影響で悪くなり長引くかと考えていた私達にも驚きの結果です。もっともカンボジアの不動産業界全体を数値にすれば、コロナ回復以降は下降気味ではあります。私たちのプロジェクトを含む一部が好調にとどまっているだけ、と政府関係者も指摘していました。
その席で「タイからの労働力撤退で、カンボジア国内での建設労働力に問題が無いでしょう」との意見をいただきました。これは私たちの実感とも一致しています。
今月、カンボジアからの閣僚の訪日が続いています。その目的は、日本からの観光客誘致と投資促進にあります。
カンボジアが直面する課題は、タイとの国境紛争により経済的損失を抱えています。国境閉鎖が長引き、交易が滞る中で、日本からの観光と投資に大きな期待を寄せています。
一方で、日本や米国では「タイ・カンボジア間の紛争はすでに終わった」との誤った認識が広がっています。実際には緊張は現在も続いており、国境地域ではタイ軍による強制的な鉄条網設置や住民退去が発生。国境では緊張が高まり、カンボジア国民は結束を固め、タイ製品の不買運動を徹底しています。カンボジア全土に展開するタイ資本のセブンイレブン、紛争前は24時間にぎわっていましたが、現在では潰れてしまうのではと思うくらいにお店には客も店員もいません。その他タイ製、タイで製造している外資企業の製品も不買対象にされています。
カンボジアの閣僚からの現地の状況を日本の政府や民間企業が知り、どうして聞き伝わっていることに違いがあるのだと認識のズレに驚きが会談で出ていたそうです。
この誤解の背景には、情報の偏りがあります。
日本で報道されるニュースの多くはタイ・バンコク発であり、東南アジア全体で駐在記者は各社一人もしくは少数。そのため一社の報道を他社が買う形になり、結果として似通った視点ばかりが流れています。
タイ国内でも同様で、国民の関心は3か月後に控えた総選挙に移っており、カンボジアとの国境問題は「終わったもの」として片付けられがちです。しかし現地では依然として軍の暴走により混乱が続き、最も被害を受けているのはカンボジアの一般国民です。
今回の状況は、タイ・カンボジア双方の経済に影響を及ぼしています。
先日も日本の報道では「カンボジアへの投資が減るだろう」とカンボジア大使の話として報じていますが、実際にはタイの経済の方がより大きな打撃を受けています。
特にタイは、工場や建設現場の労働力をカンボジア人に依存していたため、国境閉鎖で深刻な労働力不足に直面しています。
9月現在の状況は、マレーシアと米国の仲介で停戦合意には至りましたが、トランプ大統領の国連演説にも表れているように「紛争は終結した」との誤解が広まっています。
タイは総選挙を控え、政局への関心が高まり、カンボジアとの国境問題は軽視されがちです。その結果、政府不在の隙を突く形で軍の一部が暴走し、国境での緊張が続いています。
正確な情報が伝わらなければ関心が薄れ、事態は改善でなく悪化につながる危険性があります。
正確な情報発信、そして最も重要なのは 平和と国境の安定、そして交易の再開 であると改めて感じています。両国の経済と人々の生活を守る鍵になります。
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日本のマスコミが頼るのがデコイ小市らしかいませんから、困ったものです。