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供給7万5,000戸で価格調整? 実務視点で読み解くカンボジア不動産:投資から実需へ

「プノンペンのマンション市場、価格再調整のなか7万5000戸を供給」KIRIPOST)という記事が出ていました。

どちらかと言えばネガティブな論調ですが、私はネガティブ記事そのものを否定する立場ではありません。市場には必ず循環があり、調整局面の分析は重要です。

ただし、不動産に関する見解は、書き手の立場によって大きく変わります。

実際に購入・運用しているのか、賃貸居住のみなのか、あるいは実務に携わっているのか。その違いによって、物件評価の基準や市場理解は大きく異なります。

先日も市場分析を発信している方がいましたが、ちなみにその方ご自身は、築年数のかなり経過した低価格帯の賃貸物件にお住まいで、評価基準がご自身の居住体験と比較した相対評価になっている印象を受けました。投資・実需・流動性という観点が欠けていました。実際、その方が高く評価していた物件は、アワード受賞歴があるものの、工事遅延や販売進捗、立地の悪さから賃貸稼働の面で課題を抱えています。

今回のKIRIPOSTの記事も、供給過多という重要な兆候を捉えています。しかし実務的視点での整理が不足しており、結論がやや分かりづらい印象を受けました。

KIRIPOSTの記事は長過ぎて分かり難いですから、CambPPさんが非常に分かりやすく整理されていますので、そちらを参考にして下さい。

私が指摘したい点ですが3点あります。

①「7万5,000戸=分譲過剰」という短絡的解釈

記事タイトルにある

「7万5,000戸のコンドミニアム供給による価格調整」という表現ですが、ここは誤解を招きやすい部分です。

この7万5,000戸という数字は、分譲物件だけではありません。

コンドミニアムとアパートを含む全体戸数です。

つまり、

  • 一棟収益型で単一オーナーが保有する物件

  • 区分分譲で複数オーナーが所有する物件

が混在しています。

供給戸数全体を、そのまま「分譲の供給過剰」に結び付けるのはやや短絡的です。

価格調整は確かに起きてきますが、分譲価格よりも賃貸価格の調整圧力の方が大きいと見るべきでしょう。

ここは明確に分けて論じる必要があります。

② 価格設定のミスマッチの主体

記事では

「デベロッパーが市場需要を正確に把握できていない」とあります。

これは抽象的に書くよりも、実態としては中国系開発業者による高値設定物件、売残りを指していると明示した方が読者には分かりやすいでしょう。

市場価格に適合しない価格帯で販売し、結果として売れ残っている。

これは市場全体の問題というより、個別開発業者、案件の戦略の問題です。

適正価格に修正されれば自然に市場は吸収します。

売れ残り物件は市場が答えを出すだけの話です。

③ 「投資目的から実需目的へ」の移行

記事では

『賃貸目的の購入から使用目的の購入へ移行』

とありますが、これは以前から私が申し上げている流れです。

2018年当時、市場は1ベッドルーム中心でした。2ベッド以上の物件はありませんでした。

そこで私たちは、2ベッド・3ベッド主体のJタワー2コンドミニアム(43階)』

を計画し、2022年に完成しました。

興味深いのは、投資用で購入されたカンボジア人の多くが、

  • すでに戸建てを所有しているにもかかわらず

  • 「一度コンドミニアムに住んでみたい」

  • 「都心型生活を体験したい」

という動機だったことです。

ここから、投資市場から実需市場への変化を確信しました。

その流れの延長で、ファミリータイプ中心の『Jタワー3コンドミニアム333m』77階建

の計画へと進んでいます。

これは当社だけの動きではなく、市場全体にも同様の傾向が出てきているのでしょうか。

昨年、自称アナリスト カンボジア太郎のX投稿で

「カンボジア人はコンドミニアムに住まない」

という意見を見ました。

これは偏見、分析不足、思慮が浅いです。

日本でも、当初は戸建志向が主流でしたが、利便性を背景に都心ではマンション居住が一般化しました。カンボジアも都心部では同じ流れが起きています。

私達のプロジェクトだけでなく、同じ傾向が出てきているのでしょう。

ただし、記事にあるような

「3万〜4万ドルで家族が住める都心物件」は存在しません。

その価格帯で購入可能なのは、35〜40㎡程度の1ベッドルームです。

ファミリータイプは価格帯が全く異なります。

不動産はエリア別・価格帯別に分けて分析しなければなりません。

そこを混在させると議論が曖昧になります。

とはいえ、記事の中で触れられている若年層(いわゆるZ世代)向けの手の届く価格帯開発が今後注目されるという点については、私も同意します。

全体傾向としての方向性は間違っていません。

今回は、不動産実務に携わっていない立場からの分析に不足している記事部分を、実務視点で補完する形で意見を述べました。

※KIRIPOSTさんの画像を引用しましたが、2022年12月25日撮影の画像のようです。最新の報道であるなら、もっと最新の画像を使うべきかと思います。

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